キミイロの世界を、もう一度。





「……ここへ行きなさい」


頭を下げ続けて何分経ったかな。


5分……、いや、きっと1分くらい。


時間が過ぎるのがとても遅く感じる。


そして、なんとも言えない気難しい表情をした降谷くんのお母さんが、一枚の紙を私に差し出した。


「これって……」


「あの子のいるところ。……さあ、行ってきなさい」


降谷くんのお母さんは、立ち上がって私の肩をポンと叩いた。


そして、家から出る際___……。


「あの子のこと、大切にしてくれてありがとう。……きっと、あの子はもう大丈夫よ」


それから私は、再び無我夢中で走った。


周りの人に怪訝な目を向けられる。


スマホからたくさんのメールや着信がきても、私はそれを気にも止めず走り続けた。


彼の居場所へ___……。




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