キミイロの世界を、もう一度。





「また、会えたな……」


本当に嬉しそうに笑うものだから。


期待、しちゃうじゃない。


心拍が少しずつ、上がっていくのを感じた。


「っ、当たり前でしょ……。だって、」


委員長なんだから、そんな言葉はもうやめた。


「……降谷くんに会いたかったんだから」


私も、笑顔を彼に返す。


「……俺の前で笑うのは初めてだな」


……そう、だったかな。


あまり彼の前では笑っていなかったのかもしれない。


それは、彼に本当の自分を見せていたから。


でも、今のは本当に自然に笑えたの。


___君に会えたからだね。


「……俺さ。ほんとは病気してたんだ」


「っ……うん」


『病院』


その文字を見た時、ほとんどのことは悟ってしまった。


あぁ、降谷くんは今まで、ひとりで戦ってたんだって。


だから私は、あえて聞かなかった。


「肝臓がうまく機能しなくてさ。……それで、もう長くもたねーって話されたんだ」


降谷くんが話してくれたここ数ヶ月の話は、私の想像をはるかに超えるものばかりだった。


降谷くんが……死んじゃう……?


これ以上聞きたくなくて、耳を塞ぐ。


嫌だ、聞きたくない。


もうあと数ヶ月、だなんて絶対に言わないで……。


降谷くんは私の方を見て何か言っているけど、だまって耳を塞いだまま首を横に振る。


言わないでよ、この先。


私が聞いていいことじゃない___……。


そう言おうとしたのに、降谷くんは、私の腕を優しく掴んで、下におろした。


「ばか、俺は死なないよ」


再び涙を拭ってくれる降谷くんの言葉は、全然説得力がない。




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