キミイロの世界を、もう一度。
「それで、移植手術したんだ。ドナーが見つかったから」
な?死なないだろ?そうやって不敵に笑う降谷くんを見て、腰が抜けたように、力が入らなくなった。
「はは、俺はだいじょーぶだよ」
優しく頭を撫でられて、さらに涙が溢れる___……。
「っ、心配っ……したんだから……っ!」
降谷くんを睨むけれど、降谷くんは照れた様子で頭をかいた。
「ごめんな」
っ、降谷くんは悪くないのに……っ。
謝らせることしかできない自分にも腹が立つ。
「っ、違うから……っ。……好きだからっ、心配するの……!」
あぁ、言っちゃったな。
ここばかりは、委員長だから。なんて言うべきだったかな。
そんなことを考えると、ふいに。
唇に優しくて温かいものが触れた。
「っは、しょっぱ。……先に言われちゃったな」
「え……?」
今、降谷くんの唇が私のどこに触れたか。
理解が全然追いつかなくて、涙も止まる。
「こんな格好で、めちゃくちゃカッコわりーんだけどさ、聞いてよ」
降谷くんは、私の手を取ってゆっくりと深呼吸した。