瞳をつなげば。
手を繋げば。




僕の手に、シマウマ君の体のぬくもりが走ってくる!


「だからね、とぉってもっ!あったかいんだぁっ!」



シマウマ君は、泣いていた。




シマウマ君の瞳から、涙がこぼれる。




涙は、シマウマ君の顔を歩いて。



腕を歩いて。



手を歩いて。



ボクの手を歩いて。



腕を歩いて。


首を歩いて。



ボクの瞳の中に、潜ってきた。



涙は、教えてくれた。



シマウマ君のお母さんが、太陽の光に当たって。



当たり続けて・・・・・・!



シマウマ君が、走ってきて・・・・・・。




お母さんにキスをした。




お母さんは、水を飲み込めなかった・・・・・・。




シマウマ君は、今、1人ぼっち・・・・・・。ううん、



「ボクは、今、シマウマ君の手を握っている。シマウマ君、もうすぐっ川だよ!」




ボクとシマウマ君は、横断歩道を3年くらい歩いた。


寒い冬も。


温かい春も。




むしむし暑い、夏も・・・・・・!



枯れ葉が落ちる。




心まで寂しくなる、秋を!




一緒に、泣いて横断歩道を歩いた。



今は、知らない町を、5年くらいかけて川に向かって歩いている。




風が、ボクのほっぺの上を走るっ!




走るっ!




走るっ!



走るっ!




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