無口な担当医は、彼女だけを離さない。
過去と現在
今日も繰り返される変わらない日常。
不満なわけでもないけど満足しているわけでもない、そんな毎日。
ただふとした時に少し感じる虚しさ。
この気持ちが拭える日なんて来ないものだと思い込んでいた。
「ねぇ、今日栞麗がいるお店行ってもいい?ほら、みんなも連れてさ!」
「ん~…」
「栞麗聞いてる?」
「…え、あっ、ごめん何だっけ」
「もー、だから!夜お店行くねって」
「えっ、今日?」
ずっと私の隣で口を動かしている友達の日和(ひより)。
よくそんなに話せるなぁと思いながら何も聞いていなかったのがバレた。
日和には申し訳ないけれどこういう日はどう頑張ってもだめ。
元々喘息の持病を持っている私は毎日その症状に気が付かないふりをして普通の人を演じている。
それでも今日は中々にきつい。
朝、市販の薬ちゃんと飲んだのに。