無口な担当医は、彼女だけを離さない。
私と疾風くんで言い合いになってしまった日から2日後。私はバイトで疾風くんに会った。
『あ…疾風くん』
『先輩…!ごめんなさい、俺言いすぎましたよね本当にごめんなさい…』
『何言ってるの謝るのは私の方だよ…頬っぺた、ごめんね。痛い?』
『んなもんどうってことないです。あの時の俺は叩かれて当然です』
『でも本当にごめん。疾風くんは告白までしてくれたのに』
『俺の方こそ先輩の気持ち否定すること言って…』
『あ、そういえば』
疾風くんにあの後好きな人と付き合うことができたと報告するととても驚かれた。
『俺に勝ち目ないじゃないですかー…』
『ごめん…でも気持ちはほんとに嬉しかったよ。人生で告白なんてされたの初めてだったし』
『まじですか⁈…あー、なんか先輩の1番一つでも取れただけでいいかも』
『ふふ、何それ』
『…あーあ、俺のこと振るとかまじもったいないっすね先輩』
『疾風くんの周り女の子いっぱいいるじゃん』
『そーですよ。先輩のことなんて一瞬で忘れますから!』