無口な担当医は、彼女だけを離さない。
付き合ったからと言って、大きく生活が変わるわけではなくて。
世那くんは日々の仕事や勉強で大変そうだし、私もバイトや課題に追われて今年の夏は終わった。
別にこの現状に満足してないわけじゃない。世那くんと付き合えただけで幸せだし、これで正式に同棲って形になったし。
だけどやっぱり付き合いたてだから…ちょっと寂しい時もあるのも本音。
でも私から甘えたいなんて言えるわけない。そんなキャラじゃないもん。
あと最近世那くんの帰りが遅くて前ほど一緒によるご飯を食べられていない。
その時間が好きな私からしたらやっぱり物足りなさがある。
「なんか熟年主婦みたいだね。付き合いたてなはずなのに」
「まぁ…一緒に住んでるから全く顔を合わせないってわけじゃないんだけどね。でも顔は合わせるのにあんまり話せないのが寂しい、というか…」
「うんうん分かるよ…って待って。私達今恋バナしてない⁈」
「えっ…そうなのかな」