無口な担当医は、彼女だけを離さない。
「ごめんなさい…ありがとう」
「ごめんはこっちだわ。てか栞麗もなんであいつらのとこ1人で行くわけ?人が自分以外いなかったとかなんだろうけど俺にとってはそんなことより栞麗になんかある方が無理だから」
一瞬お説教かと思ったけど…全然違ったね。
世那くん、私のことちゃんと大事に思ってくれてるんだ…。
「ねぇ分かった?」
「うん。分かった」
結局その後私は家に着くまで世那くんにおんぶされたまま。
若干周りの人の視線が痛かったけど世那くんの背中はとても心地がよかった。
「ん、ソファー到着」
「ごめんね…ありがとう」
「ココアいる?」
「うん、お願いします」