無口な担当医は、彼女だけを離さない。


「まだ起きてたのかよ」

「うおぉ…せ、世那くんいたの」

「驚き方かわいくねぇな…」



急に後ろから声が聞こえたものだからびっくりして女子力のかけらもない声を出してしまった。



「ごめんなさい、起こしました?」

「いや、栞麗寝れてるかなーと思って。まぁそしたら案の定」



まさかここまで見透かされるとは。流石過保護な世那くん…。


それにしても世那くんとこうして2人きりでゆっくりと話すのは久しぶりだった。


これも私のせい、だけどちょっと喜んでしまっている自分がいた。


結果的に私1人では勝てなかったけどこうして世那くんと話せるならいいかもしれない。


…ってこんなの言ったら怒られるよね。毎回世那くんが助けてくれるわけじゃないし。

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