無口な担当医は、彼女だけを離さない。
「ほんとだよね…大学生って思ったよりも短いかも」
「栞麗は?どうするの」
「私、は…就職だよ。資格取って、なんでもいいから就職して。世那くんに返さないとだし」
「そーだね。ま、2人とも無事決まることを願って頑張るしかない!」
学生でいたい気持ちも半分あるけど、早く自立して世那くんに頼らなくても生きていけるくらいになりたい。
もちろんお母さんにも認めてもらえるように。
「今日この後は?バイト?」
「ううん、家直行」
「そっか。なんか栞麗に余裕が出来ると私も安心するわ~柊さんに感謝」
あの日から私はバイトを大幅に減らし、基本週1回。多くても週に2回までにしてもらった。
今までガンガンシフトを入れてもらってたのにこんなこと受け入れてもらえるのか心配だったけど
バイトリーダーの小林さんは快く承諾してくれた。