無口な担当医は、彼女だけを離さない。
『何言ってんの!栞麗ちゃんには今まですっごい助けてもらったんだしむしろ私の方がお礼を言う方なんだから!週1でも来てくれるの、嬉しいし。これからもよろしくね』
改めて私は上京してから周りの人に恵まれたなと思う。
小林さんは持病のことも理解してくれたし今回も私の意見を1番に尊重してくれた。
世那くんにお金を借りるなら今バイトしなくても就職してから貯めればいいかなとも
一瞬思ったけど私がここのバイトを辞めたくなくて。
大学卒業まではここでお世話になります、とも伝えた。
「日和はこの後セミナーか。頑張れっ」
「はいよ~」
日和とはここで別れ、私は家に直行。
今日は授業が午前中までだったのでまだ外は明るい。