無口な担当医は、彼女だけを離さない。
そっか、私大学で倒れたのか…そっからの記憶が何もないからどのくらい時間が経っているかも分からない。
「担当医としてはここまで。こっからは、お前の彼氏としての話」
世那くん怒ってる、よね。あんなこと言ってそのまま倒れて。
超絶面倒くさいなほんとに。むしろ今は私の方が捨ててほしいくらいの罪悪感。
「倒れる前のあれ。本心じゃねぇよな?」
「本心…です」
「だとしたら余計にむかつくんだけど」
「ごめん、なさい」
「お前のことだから自分より他の人の方がいいとか思ってんのかもしれないけどそんなの俺が決めることだから」
だから世那くんにその時は捨ててもいいよって言っただけなのに…。
そんなに怒らなくても。ほんとに気持ちが変わった時に後悔するだけだよ。