無口な担当医は、彼女だけを離さない。
ガラガラッ
「目覚めたってほんと⁈大丈夫⁈」
「ちょ、優愛なんで」
大きな音を立てて病室に入ってきたのは世那くんの元カノ、優愛さん。
1回会っただけなのになんで優愛さんが私の病室になんか…。
「だってこの子世那の彼女さんって言うから!倒れたって聞いて心配で」
「すみません、私もう大丈夫です…」
「ほんと?よかった…。でもまさか世那の患者さんだったなんてびっくりしたよ~」
「ほんといいから帰れって」
「私だってこんなかわいい子が彼女なんて羨ましいもん!今度また話そう?あ、これ私の名刺」
優愛さんはなぜか私に名刺を渡し、世那くんに押されて病室を出て行った。