無口な担当医は、彼女だけを離さない。


***

あれから少し時間が経った頃に私は世那くんと病院を出た。


なんとなく気まずい雰囲気のまま家に着き、車を降りる。


世那くんを責めたいわけでもないのにいつも通り話せない。



「あ…そういえば今日で終わっちゃったのか」

「そうだな。来年…はないんだよな」



結局まともに学祭を楽しめることなく終わってしまった。


後から日和に聞いたけど救急車は裏口から入ってくれたけどまぁまぁの混乱を招いてしまったらしい。


せっかく来てくれた世那くん達にも申し訳ないし日和も…あ、疾風くんどうしたかな。


ちょうど私が倒れたか倒れてないかくらいの時には一緒にいたかな…。


邪魔しちゃってたら疾風くんになんて謝ればいいか分かんないしお願いだから会えていてほしい。

< 202 / 308 >

この作品をシェア

pagetop