無口な担当医は、彼女だけを離さない。


やっぱりそれどころじゃなかったか…。


ほんとに申し訳ないどうしよう、次疾風くんに会ったらなんて言えばいいんだろ…。



「ほんとにごめん…最後だったのに」

「怒ってるわけじゃないけどさ、びっくりするじゃん!だからいきなりいなくならないこと!」

「…ふ、日和彼氏みたい」

「いいよもう彼氏で!柊さんにはごめんだけどさ!じゃ切るよ?」

「はーい、ありがとね。おやすみ」



世那くんには怒られちゃうけど日和が1番彼氏っぽいよね。



「わっ⁈」

「ぅおっ…ごめん、あの、別に聞いてたわけじゃ、なくて…」

「その顔絶対聞いてるじゃん。嘘つかないで」

「…はい」



部屋のドアを開けるとすぐ近くに世那くんがいた。


きっと世那くんもこれから私が言うことの検討はついてるんだろう。

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