無口な担当医は、彼女だけを離さない。


私もこの後はバイトもない。


気持ちも決まってるし24日まで待つ必要なんて…ないのかも。


どうしよう。まさか今日話すなんて思ってなかったから急に緊張してきた。


大丈夫落ち着け。この1ヶ月間この時のことを何回も考えて過ごしてきたんだから。



「まぁ病院も何だし外出るか」

「え?」

「ちょっと待ってろ。着替えてくるから」



世那くんはそう言って私服に着替えてきた。


なんで世那くんはこんなにもかっこいいんだろう。


ここ最近頭の中で思い出していた顔よりも実物の世那くんの方が断然かっこいい。


電話越しの声よりも生の声を聞きたい。世那くんに、触りたい。


そう思ってしまうくらいにはもう私は世那くんに落ちているんだ。

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