無口な担当医は、彼女だけを離さない。


***

「ということでお疲れー!!」

「お疲れ~!!」



12月半ば。


致命的だったテストも無事終わりやっと明日から冬休みです。



「山本ほんっとにありがとう!!恩人すぎる!!」

「ギリギリだったけど間に合って良かった。ちょっと焦ったけど…」

「私やればできる子だからさっ」

「…はい」

「何その微妙な反応!」



私も日和も山本くんのおかげで単位を落とすことはなく、留年は免れた。


私も山本くんにはほんとに感謝をしないといけないんだけど…。


実は残りの1週間くらいはあんなこともあったし山本くんのことを避けてしまっていた私。


日和は直前まで放課後に山本くんを一緒に勉強していたみたいだったけど流石に気まずくて行けなかった。


だから今こうして目の前に山本くんはいる状況が久しぶりすぎて少しぎこちない。

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