無口な担当医は、彼女だけを離さない。
小中学生の時もお母さんは仕事に行ってくれていていなかったし
まずクリスマスに家族でケーキを食べたことがあまりない気がする。
「で?どうだったの日和は」
「あ…うん。まぁ私の話はいいじゃん」
「え、なんで?むしろ私は日和の話の方が聞きたいんだけど」
一方日和は私が無理矢理説得させなんとかクリスマス当日に後輩の疾風くんと出かけさせることができた。
でも実はまだ日和から何の話も聞いてない。lineで聞いても会ってから話す、の一点張りだったし。
「いや…まぁ、その…ね?あれよ」
「いやどれよ」
「…ったよ」
「え?」
「つ、き合うことに、なった」
日和は口をもごもごさせながら恥ずかしそうに言った。
私はその言葉を聞いた途端嬉しさで日和に抱き着く。
「ちょ、何っ⁈」
「よかったー!疾風くんおめでとう!ほんとによかった!」
「私じゃないんかい」
「だって疾風くんあんなに頑張ってたのに日和永遠気が付かないんだもん!やっとだね~!あ、おめでとうline送ろっと」
私はすぐさまスマホを開き、疾風くんにメッセージを打つ。
「やっぱり栞麗もグルだったのか…」
「めちゃくちゃグルだよ、気づかなかった?」
「いやまさか栞麗のバイトの後輩とそんなことになるなんて思わないもん~…」