無口な担当医は、彼女だけを離さない。
「でもそれ終わったら夏休みだし!あと3週間くらい頑張ろっか」
「だね」
その日から私は本格的にテスト勉強を始めた。
私達は理学部の地球科学科に所属していて、テスト前は毎回みんなの顔が死んでるで有名な学部。
私は元々理系が得意だったこととその中でも地学が好きだったことからこの学部を選んだんだけど…正直大変。
持病持ちとしてはテスト前には必ず体調崩すし、テストが終わっても3日くらい寝込むことが多い。
そうでもしないとすぐ留年が迫ってきちゃうしせっかく受かった大学なんだからと思ってテスト期間は気合で乗り越えている。
だから私は病院のことなんか完全に忘れてて。
3年間病院に行く習慣がなかったこともあり、頭の中は勉強でいっぱい。
病院の存在を思い出したのは柊さんからの電話だった。