無口な担当医は、彼女だけを離さない。
「既読無視とか何考えてんだよもう時間30分も過ぎてんぞ」
「ちょっ...何の話ですか、って言うかいきなり電話かけてこないでください」
「いや、今日通院日だろ」
「え?…あ」
「忘れてたのかよ…」
最後に病院に行った日から早1週間。
そういえば柊さんから連絡がきていたのを今思い出す。
「すみません、今大学のテスト期間でして…再来週には終わるので予約入れなおしてもらうことって可できますか、?」
「予約はいつでもいいけど…薬どうしてんだよ。もう昨日あたりに切れただろ」
「あ~…大丈夫です。意外と元気、なので」
「…次来た時悪化してても知らないからな」
「え?あっ、切れた…」
柊さんっていつも電話いきなり切るよね…。
まぁこれで通院日の先延ばしも決まったわけだし、今は単位を取ることだけ考えないと。
私は気合を入れてまた机に向かった。