無口な担当医は、彼女だけを離さない。
柊さんが家にいる時はなぜか毎回帰ってくる時間を把握している。私から言ったことないのに。
同居し始めて今日で2週間。分かったことは…柊さんは意外と過保護。ううん、過保護どころの話ではないくらいに過保護だ。
私が少し咳をするだけで心配してくるし帰りが遅くなれば軽くお説教。
若干干渉されすぎな気もするけど、それくらいが私にはちょうど良くて、嬉しかった。
「てかまずこんな時間までバイト入らないとだめなのか?仮にもお前は大学生なのに」
「いやちゃんと現役大学生ですけど」
「…お前最近煽ることを覚えたな?」
「いいえ?」
「熱出しても看病してやんねーから」
「それじゃあ私ここにいる意味ないので帰りますー」
「帰れないくせにな、意地張っちゃって」