無口な担当医は、彼女だけを離さない。
あ、この口調は…心配してくれてる時の口調だ。
柊さんは私のことを心配する時必ず口が悪くなる。
怒ってるのか照れてるのか分かんないけど逆にその口調が優しく感じてくるのはなんでかな。
「きょ、今日の朝。また…お母さんのゆめ、みた」
「うん」
「柊さんにも、っ深川さんにも言われた、けど…まだ私、自分を許せない…っう」
柊さんに会ってから毎日弱くなってる気がする。
こういう話をしようとすると毎回涙が出るし、すぐ止まらない。
「まぁそう簡単じゃないんだろーな。お前はこの6年間くらいずっと自分を責めてたわけだから」
「もう、お母さんのことはっ考えないように…っしたい、のに」
「別に考えなくする必要なくね?」
「ううん、わた、しが…っ辛いの」