「Of My Disteny」ー手、繋ごうー
「で、出来ました!チャーハン!と、スープ!」
なるべく粗が目立たないようなメニューにした。私の力量なんてそんなもんで、見えを張るようなものも作れないんだけど。
テーブルに向き合って2人で手を合わせる。
見た目はそんなに悪くない、それなりに美味くできた…はず!
一ノ瀬くんがスプーンでチャーハンをすくう、口に持っていくまでの距離にもドキドキが止まらなくて。
どうかな?大丈夫かな…?
「…おいしい!」
「ほ、本当…?」
「うん、すっごく!めちゃくちゃ美味しい、高橋さん料理上手じゃん!」
「それは言い過ぎだよ、ただのチャーハンだもん」
「そんなことないよ!だって俺レタスの入ったチャーハン初めて食べたもん、こんなに美味しいんだね!」
次々に口の中に運ばれていく、口いっぱいに頬張って、何度も美味しいって言ってくれた。
お腹どころか私の胸がいっぱいになったよ。
でもたまに…
「あっ」
「切れてない!」
びろーんと伸びた白ネギが一ノ瀬くんの持つスプーンから落ちそうになっている。
「愛嬌だね」
「ちゃんと切ったつもりだったのに…」
「逆に歯ごたえがあっていいと思う!」
次は気を付けよう、もっとちゃんと最後まで包丁入れるように…
そう思いながら食べたチャーハンの中にも切れてない白ネギは存在してた。
「子供の頃ね、“白”って付くものは全部“はく”って読むと思ってたんだよね」
ゴクリとお茶を飲んだ一ノ瀬くんが話始めて、それにうんと頷く。
「一ノ瀬…白くんだもんね」
男の子を下の名前で呼ぶのは少し恥ずかしくて、マネするようにお茶を飲んだ。
「だから白雪姫を“はくゆきひめ”だと思ってたし、白色は“はくいろ”だと思ってた」
「はくいろ!それは一ノ瀬くんの色みたいだね」
子供の頃の話を想像したら思わず笑っちゃった、一ノ瀬くんでもそんな風に間違えちゃうことあるんだってふふって顔がにやけちゃう。
「でも白ってかわいい名前だよね。あ、男の子にかわいいとか変だったよね!?」
あんまり男の子と話したことなかったから、つい思ったことをそのまま口にしちゃって。
だけど一ノ瀬くんは笑ってくれたから。
「羽実もかわいいよ」
「…っ」
頬が熱い。
心臓がそわそわする。
ずっと苦手だと思っていた男の子なのに、名前を呼ばれて嬉しいって思ってる。
胸がいっぱいで苦しい。
なるべく粗が目立たないようなメニューにした。私の力量なんてそんなもんで、見えを張るようなものも作れないんだけど。
テーブルに向き合って2人で手を合わせる。
見た目はそんなに悪くない、それなりに美味くできた…はず!
一ノ瀬くんがスプーンでチャーハンをすくう、口に持っていくまでの距離にもドキドキが止まらなくて。
どうかな?大丈夫かな…?
「…おいしい!」
「ほ、本当…?」
「うん、すっごく!めちゃくちゃ美味しい、高橋さん料理上手じゃん!」
「それは言い過ぎだよ、ただのチャーハンだもん」
「そんなことないよ!だって俺レタスの入ったチャーハン初めて食べたもん、こんなに美味しいんだね!」
次々に口の中に運ばれていく、口いっぱいに頬張って、何度も美味しいって言ってくれた。
お腹どころか私の胸がいっぱいになったよ。
でもたまに…
「あっ」
「切れてない!」
びろーんと伸びた白ネギが一ノ瀬くんの持つスプーンから落ちそうになっている。
「愛嬌だね」
「ちゃんと切ったつもりだったのに…」
「逆に歯ごたえがあっていいと思う!」
次は気を付けよう、もっとちゃんと最後まで包丁入れるように…
そう思いながら食べたチャーハンの中にも切れてない白ネギは存在してた。
「子供の頃ね、“白”って付くものは全部“はく”って読むと思ってたんだよね」
ゴクリとお茶を飲んだ一ノ瀬くんが話始めて、それにうんと頷く。
「一ノ瀬…白くんだもんね」
男の子を下の名前で呼ぶのは少し恥ずかしくて、マネするようにお茶を飲んだ。
「だから白雪姫を“はくゆきひめ”だと思ってたし、白色は“はくいろ”だと思ってた」
「はくいろ!それは一ノ瀬くんの色みたいだね」
子供の頃の話を想像したら思わず笑っちゃった、一ノ瀬くんでもそんな風に間違えちゃうことあるんだってふふって顔がにやけちゃう。
「でも白ってかわいい名前だよね。あ、男の子にかわいいとか変だったよね!?」
あんまり男の子と話したことなかったから、つい思ったことをそのまま口にしちゃって。
だけど一ノ瀬くんは笑ってくれたから。
「羽実もかわいいよ」
「…っ」
頬が熱い。
心臓がそわそわする。
ずっと苦手だと思っていた男の子なのに、名前を呼ばれて嬉しいって思ってる。
胸がいっぱいで苦しい。