「Of My Disteny」ー手、繋ごうー
勢いで飛び込んだ迷路はどこに進んでるのかもわからなくて、どんどん奥に迷い込んでいく。

この道で合ってるのかなって思うことさえなくて、ただどこでもいいから探してた。

1人になれる場所を。

白くん、私には話してくれないのかな。
 
七海学園で金の夫婦の卵(ゴールデンカップル)になれたら、結婚と同時セブンオーシャンの社長になれる。

私は疑いもしなかった。

金の夫婦の卵(ゴールデンカップル)になれることは名誉なことだと思ってたから。

でも…白くんはなれないよね。

お父さんの会社があるならなる必要がない。

むしろなっちゃいけない。

だから手を繋ぐことにもいいよって言ったのかな。

そんなことしなくていいよって、減点されてもいいって…


思ったの?


足が止まる。

瞳が熱くなる。

前が見られない。


私と金の夫婦の卵(ゴールデンカップル)目指してないから?


“そんなことより!”

声を張って私の言葉を遮った、それは関係ないって言われた気がした。

 
私には関係ないって、本当に関係ないの…?


瞳からあふれてくる。

ポロポロと止まらなくて。


だからここに迷い込んだ。


私、白くんのパートーナーなのに。

デステニーで選ばれた運命の相手なのに。

そんな風に思ってほしくない。


だって私は白くんとなりたいって思っちゃったよ。

もう思っちゃったんだよ。


金の夫婦の卵(ゴールデンカップル)、白くんとならなれるって思ったんだよ。
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