「Of My Disteny」ー手、繋ごうー
destiny2.新入生歓迎会
今日から授業も始まった。

現国に数学、英語に体育…“結婚科”と呼ばれる摩訶不思議な科でも一応普通の高校生とおんなじ授業はあって、今現在は地歴の授業中。

こーゆうとこは変わらないんだなって思った…

けど、1個違うのは隣。

教科書を立てるように両手で持って、右隣をチラッと見る。

「………。」

真剣な眼差しで一ノ瀬くんが先生の話を聞きながらノートを取っている。

さすが結婚科って言うだけあって、常にパートナーと同じ時間を過ごせるように席だって隣同士なんだ。 

男の子が隣の席なんて、中学の頃だってあったけどこの人が私の相手かと思うと…無性に緊張しちゃう。


キレイな横顔だなぁ、一ノ瀬くん。


授業に対する姿勢も真面目で、非の打ち所がないってぐらい。

こんな人が私のパートナーなんて…本当かな?

「!」

一ノ瀬くんがこっちを見た。

あ、つい見ちゃってた一ノ瀬くんのこと!

授業も聞いてないのバレちゃった!

「…?」

一ノ瀬くんが右手で口元を隠すようにしてパクパクと口を動かした。

……?

なんて言ってるのかな?

えっと…


“け・し・ご・む・か・し・て”


あ、消しゴム貸して!?

絶対注意されるんだと思ってたから、消しゴム貸し出しのお願いだとは思わなくて、それはそれでドギマギしちゃった。

カクカクとロボットみたいな動きで、筆箱から消しゴムを取り出して一ノ瀬くんに渡す。
手が触れちゃうんじゃないかって、顔が見られなくてずっと消しゴムを見てた。
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