新米サンタさんの初仕事
小学5年生の男の子の名前は、篤人くん。

篤人くんとそのお父さんの話によると、

お母さんがステージ4の癌で入院して、抗がん剤治療を受けているとのこと。

それも、余命が、持ってクリスマスまでとのこと。

篤人くんのプレゼントは、お母さんの回復で、笑顔を見ることだった。

お父さんは、3人で旅行したいとのことだった。

私と先輩は顔を見合わせた。

私たちは、お礼を言った。

「本日は貴重なお話ありがとうございました。素敵なプレゼントをお届け出来るよう、全力で努めます」と私達は挨拶をして、

彼らのお宅を後にした。

私は車の中で、先輩にどうしますか?と聞いてみた。

「あの方を召喚するしか無さそうだね。お母さんには治って貰って、旅行をプレゼントしよう。旅行の手配はリカが責任を持ってしなさい。俺は、あの方に話をつける。それから、注意深くあの家族を見守るように」と先輩は的確な支持をしてくれた。

私は、先輩のお陰でやることがわかった。

私は早速手配を始めた。

旅行はどこがいいんだろう。私はモニターを見ながら、考えた。

モニターを見てると、あることに気づいた。

篤人くんはいじめられてることが判明。

お父さんには言えず、お父さんの前では心配かけまいと笑顔に振る舞っていた。

私の胸が痛んだ。

闘病する母に代わり、仕事をしながら家のこと、息子のことをしっかりこなすお父さん。

旅行のプレゼントは頑張るお父さんのためでもあるなと改めて、私は奮起する。

そこに、先輩が現れて、

「旅行先なんだが、ハワイにしてくれないか?」と言ってきた。

ハワイですか?と私が聞くと、

「新婚旅行がハワイだったらしくてな、もし子供が生まれたら3人で来ようと約束したらしいんだ。夫婦で」と先輩は言った。

なるほど、そういうことかと納得した私は早速、ハワイを楽しんでもらうための、旅行チケットや、諸々の準備をした。

もちろん、これにかかりっきりというわけにもいかず、他の子へのプレゼントも準備しながら。
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