(仮)愛する者
光が雪のように降ってきたかと思うと、それに紛れるように、何かがふわりと着地した。
「ひめさま、お待たせいたしました。」
光と共に舞い降りてきたのは、青いドレスを纏った少女だった。
「あ、花姫!」
2人目の少女…花姫ちゃんは、ピンクの髪に水色の瞳、白い羽を持っていた。
愛姫ちゃんより少し年上に見える。
「思ったより時間がかかってしまいました。申し訳ありません。」
心配そうにしながら一礼する。
「ううん、大丈夫。怪我とかしてない?」
愛姫ちゃんが答えるとほっとした顔をする。
「ありがとうございます。大丈夫ですよ。」
「よかった。」
愛姫ちゃんも少し肩の力を緩めたように感じる。
「ところで、そちらの方は?」
怪訝そうな顔で花姫ちゃんが尋ねる。
「あ、こちらは、月野原タクトさん。えっと、わたしが落ちた時に受け止めてくれて・・・」
愛姫ちゃんの説明を聞くうちに、花姫ちゃんの目が吊り上がっていった。
「ひーめーさーまー!まだ覚醒したばかりなので、わたしがいない時は、じっとしていてくださいといいましたよねえ!?」
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