(仮)愛する者
「う、ご、ごめんなさい。だって、歌ってたら楽しくなっちゃって。月もいい感じで、みんな楽しそうで。」
慌てて、誤り、言い訳をしている。
「はあ。しょうがないですねえ。」
花姫ちゃんはため息をつきつつ、切り替えるように少し頭を振った。
「月野原さま、姫を助けてくださってありがとうございました。この方は、まだ未熟ですが、とても大切なお方なのです。」
急に名前を呼ばれ、綺麗に一礼されて驚いた。
「い、いえ、そんな大したことはしてないですよ。」
それだけ言うのが精一杯だった。
ふと、花姫ちゃんが表情を消した。
< 8 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop