あの花が咲く頃、君に会いにいく。
力が増している悪霊ということで、いつもより強力で貴重なお札を持ってきた楓と、気合いを十分に入れた私とで悪霊が現れるのを待っていた。



「悪霊と会うってわかってても、夜の学校ってやっぱ怖いなぁ。違う霊とか出てきそう」


「霊が霊を怖がってどうすんだよ」


「うるさいなぁ!怖いものは怖いんだから仕方ないでしょ!」



楓とそんなことを言い合っていると、ふとどこからかあの音が聞こえてきた。



–––ペタッ。ペタッ。ペタッ。



「来た!ねえ、来たよ!」


「わかったから少し黙れ」



楓が私を庇うようにして前に立つと、扉から離れ窓側に下がった。



–––ペタッ。



ふと足音が教室の前で止まり、この前と同じようになんの音も聞こえなくなった。



「…いなくなったのか?」


「違う。この前もそう思って近づいたら、いきなりドアが開いたから今回も…」



–––パリンッ!
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