あの花が咲く頃、君に会いにいく。
苦しい。こんなところで終わりたくない。


誰か…助けてっ!



「そいつから、離れろ!」



うっすらと目を開けると、花屋の男の子が何かの紙を持って立っていた。


…どうして、ここに…。



「オマエハ…」



男の子は何かを紙に向かってぶつぶつと唱え、かっと目を見開くと、女の人に向かって投げた。



「悪霊よ、清らかに眠れ!」


「グッ、ウアアアアアア!」



甲高い声が耳をつんざき、目がチカチカする。


シューと女の人の体が闇に溶けて、消えてなくなった。



「ごほっ…ごほごほっ!」



突然苦しみから解放され、その場に崩れ落ちる。


し、死ぬかと思った…。もう死んでいるけど。



ハッとして顔を上げると、男の子が苦しそうに胸を押さえてうずくまっていた。
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