あの花が咲く頃、君に会いにいく。
女子高生が薄紫色の花を指差し、興奮しながら俺の腕を掴んできた。
「これ、なんて言うんですか!?」
初めて話した日の、ポピーの写真を見て目を輝かせていた早乙女を思い出して思わず笑ってしまう。
「これはシオンって花だ。もしよかったらあげるよ」
「え、いいんですか!?」
女子高生はシオンを一本受け取ると、嬉しそうに目を細めて微笑んだ。
「花には花言葉というものがあって、シオンには“君を忘れない”って意味があるんだ」
「へぇ…素敵ですね!」
「…紫音を忘れたことなんて、一度もない」
「え?」
きょとんと首を傾げる女子高生に、「なんでもない」と首を振って微笑みかける。
「…その花、気に入った?」
「あ、はい!とっても!私の中で一番好きな花になりました!」
眩しく笑う目の前の女の子と、ずっと頭の中に残って離れなかった早乙女の笑顔が、たしかに今重なった気がした。
「これ、なんて言うんですか!?」
初めて話した日の、ポピーの写真を見て目を輝かせていた早乙女を思い出して思わず笑ってしまう。
「これはシオンって花だ。もしよかったらあげるよ」
「え、いいんですか!?」
女子高生はシオンを一本受け取ると、嬉しそうに目を細めて微笑んだ。
「花には花言葉というものがあって、シオンには“君を忘れない”って意味があるんだ」
「へぇ…素敵ですね!」
「…紫音を忘れたことなんて、一度もない」
「え?」
きょとんと首を傾げる女子高生に、「なんでもない」と首を振って微笑みかける。
「…その花、気に入った?」
「あ、はい!とっても!私の中で一番好きな花になりました!」
眩しく笑う目の前の女の子と、ずっと頭の中に残って離れなかった早乙女の笑顔が、たしかに今重なった気がした。