あの花が咲く頃、君に会いにいく。
霊って、死んだ人をさす、あの霊…?


幽霊のこと…?



「…もしかして君、自分が死んだことに気づいてないの?」



は?死んだ…?誰が?私が?



「ははっ…。なんなのこれ、ドッキリ?笑えないから、そろそろやめてくれない?」


「…ドッキリなんかじゃないよ。君は死んだ。だから49日間の間で未練を解消しなければいけない」



頭をがつんと殴られたかのような衝撃だった。



「ちょっと待ってよ。死んだ?いつ私が死んだっていうのよ、だって昨日まで…」



…あれ?



「…私、昨日何したんだっけ…?」



昨日したことどころか、何も思い出せない。何もわからない。



「私は…だれ?」



自分の名前すら、わからない。



「…もしかして、なんにも記憶がないの?記憶喪失ってやつ?」



男の子が驚いたように目を見開いている。
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