あの花が咲く頃、君に会いにいく。
お母さんはいつも通りリビングにいて、どこか一点をぼーっと眺めていた。
その視線の先を辿ると、気づかなかったけど、リビングの隅っこに写真立てがいくつか並べられていて、その中に一つだけある家族四人の写真を見ていた。
私とお兄ちゃんが小学生くらいの頃だろうか。幼い笑顔だけど、すごく幸せそうだ。
写真立てに近づいていき、そっと触れてみる。
…すると、いきなりたくさんの思い出が頭の中に流れ込んできた。
*
*
「急げ、あと五秒だ!」
セルフタイマーにセットしたお父さんが慌てて戻ってきて、カメラを向いた。
「ん、待てよ。ポーズって何したらいいんだ!?ピースか!?それとも、みんなでハート作るか!?」
「あはは、なんでもいいわよそんなの」
「ピース!ピースがいー!」
「紫音がピースなら俺もそれで」
「え、ぴー…」
お父さんが何かを言いかけたところでシャッター音が鳴った。
「あー!やっちまった…」
「見せて見せてー!」
その視線の先を辿ると、気づかなかったけど、リビングの隅っこに写真立てがいくつか並べられていて、その中に一つだけある家族四人の写真を見ていた。
私とお兄ちゃんが小学生くらいの頃だろうか。幼い笑顔だけど、すごく幸せそうだ。
写真立てに近づいていき、そっと触れてみる。
…すると、いきなりたくさんの思い出が頭の中に流れ込んできた。
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「急げ、あと五秒だ!」
セルフタイマーにセットしたお父さんが慌てて戻ってきて、カメラを向いた。
「ん、待てよ。ポーズって何したらいいんだ!?ピースか!?それとも、みんなでハート作るか!?」
「あはは、なんでもいいわよそんなの」
「ピース!ピースがいー!」
「紫音がピースなら俺もそれで」
「え、ぴー…」
お父さんが何かを言いかけたところでシャッター音が鳴った。
「あー!やっちまった…」
「見せて見せてー!」