あの花が咲く頃、君に会いにいく。
遺影の我が子を悲しい瞳で見つめるお父さんの背中に、お母さんがぽつりと呟いた。



「…だけどあの子は、紫音は、私のせいで死んだのよ…っ」


「小枝!」



泣き崩れたお母さんに慌ててお父さんが駆け寄る。



––––– 「紫音なんて私のせいで…っ」



いつかのお母さんが吐き捨てるように言っていた言葉を思い出す。


私は、お母さんのせいで死んだの…?



「…違う、違うよお母さん」


「…え?」



金色の光に包まれたお母さんが、驚いたように私を振り返った。お父さんも同じように驚いた顔で私を真っ直ぐ見ている。



「紫音…?紫音なの…?」


「本当に、紫音なのか…?」



二人が信じられないという顔で私の頰に触れた。



「私はね…お母さんに謝りにきたの」


「…え?」


「あの日、私が死んじゃった日、お母さんの誕生日だったよね」
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