あの花が咲く頃、君に会いにいく。
*
*
お母さんが仕事から帰ってくるのはあと三十分くらいだろうか。
いずれにしても、急がなくては。
そう張り切って冷蔵庫を開けた。
今日はお母さんの誕生日。
お兄ちゃんの死から最初は塞ぎ込んでいたお母さんだったけど、時間が経つにつれ徐々に元気を取り戻してきたお母さんは二年ほど前から仕事にも復帰していた。
お母さんの誕生日をお兄ちゃんの分までしっかり祝ってあげると私は決めている。
だからお母さんの大好きなカレーライスを作り、部屋も風船などで軽く飾りつけた。
「あとは…ケーキ!」
ハッと駅前のケーキ屋にショートケーキのホールを予約していたことを思い出す。
時計を見ると、予約していた時間まで残り五分だ。
慌てて家を出てケーキ屋に取りに行く。
途中でお母さんから電話が来て、走りながら出る。
「あ、紫音?今から帰るけど、もう家にいる?家の鍵忘れちゃったのよね」
「今…ちょっと外!だけどすぐ帰るから、大丈夫!」
「そう?なに、走ってるの?」
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お母さんが仕事から帰ってくるのはあと三十分くらいだろうか。
いずれにしても、急がなくては。
そう張り切って冷蔵庫を開けた。
今日はお母さんの誕生日。
お兄ちゃんの死から最初は塞ぎ込んでいたお母さんだったけど、時間が経つにつれ徐々に元気を取り戻してきたお母さんは二年ほど前から仕事にも復帰していた。
お母さんの誕生日をお兄ちゃんの分までしっかり祝ってあげると私は決めている。
だからお母さんの大好きなカレーライスを作り、部屋も風船などで軽く飾りつけた。
「あとは…ケーキ!」
ハッと駅前のケーキ屋にショートケーキのホールを予約していたことを思い出す。
時計を見ると、予約していた時間まで残り五分だ。
慌てて家を出てケーキ屋に取りに行く。
途中でお母さんから電話が来て、走りながら出る。
「あ、紫音?今から帰るけど、もう家にいる?家の鍵忘れちゃったのよね」
「今…ちょっと外!だけどすぐ帰るから、大丈夫!」
「そう?なに、走ってるの?」