あの花が咲く頃、君に会いにいく。
「ちょっとお母さんのケーキ予約してたのに、取りに行くの忘れてて…っ。いっそいでるとこ!」
「駅前のとこ?それなら帰りに寄ってくわよ。もうすぐ駅着くし」
「ううん!大丈夫!」
赤信号で立ち止まり、切れた息を整える。
「だって今日はお母さんの誕生日だもん。全部私が用意して、お母さんに生まれて来てくれてありがとう、私を産んでくれてありがとうって伝えたいんだから!」
「ふふっ、わかった。ありがとね、紫音」
信号が青になったことを確認して、走り出そうと前に出る。
「う…」
うん、と言う前に私の体は信号無視をして突っ込んできた乗用車にはねられ、飛ばされていた。
そこで記憶は途切れた。
*
*
「あれはお母さんのせいなんかじゃない。事故だよ」
「でも…紫音は私のためにケーキを取りに行っていなければ、電話なんてしていなければ、事故には遭わなかったかもしれない…」
泣き腫らして真っ赤になっているお母さんの目からは、それでもまだ止まらずに涙が溢れ続けていた。
「ううん、絶対にお母さんのせいなんかじゃない。謝るのは私の方だよ」
「駅前のとこ?それなら帰りに寄ってくわよ。もうすぐ駅着くし」
「ううん!大丈夫!」
赤信号で立ち止まり、切れた息を整える。
「だって今日はお母さんの誕生日だもん。全部私が用意して、お母さんに生まれて来てくれてありがとう、私を産んでくれてありがとうって伝えたいんだから!」
「ふふっ、わかった。ありがとね、紫音」
信号が青になったことを確認して、走り出そうと前に出る。
「う…」
うん、と言う前に私の体は信号無視をして突っ込んできた乗用車にはねられ、飛ばされていた。
そこで記憶は途切れた。
*
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「あれはお母さんのせいなんかじゃない。事故だよ」
「でも…紫音は私のためにケーキを取りに行っていなければ、電話なんてしていなければ、事故には遭わなかったかもしれない…」
泣き腫らして真っ赤になっているお母さんの目からは、それでもまだ止まらずに涙が溢れ続けていた。
「ううん、絶対にお母さんのせいなんかじゃない。謝るのは私の方だよ」