あの花が咲く頃、君に会いにいく。
今日は満月で、未練解消の光みたいに金色に輝いていた。
「…ねえ天使様。出てきてよ」
「はあい。どうしたのー?」
ぽつりと呟くと、いつの間にか白いコートを羽織った天使様がにこにこと笑ってベランダの柵に腰掛けていた。
その突然の登場に、もう慣れたのかあまり驚きは感じない。
「私の三つ目の未練って、なんなの?もう記憶は全部取り戻したのにどうしても思い出せないの」
「うーん、未練の内容はその人にしかわからないから、僕たちに聞かれても困るんだよねぇ。きっと君はまだ最後の記憶のピースが足りないんだろうね。最後の未練を思い出して解消した時、やっと君はこの旅を終われる」
「…私はちゃんと終われるのかな。このまま思い出せなくて、悪霊になって、誰かを傷つけちゃうかもしれない…」
なぜか天使様を前にしていると、心の内にあった弱音が出てきてしまうから不思議だ。
「それは全部君次第だからなんとも言えないね。僕がしてあげられることもあまりない。…だから、色々試してみるといいよ。思い立ったことをどんどんやっていけば、いつか本当に君の願い事、未練に、たどり着くかもしれない」
「色々試す…」
「そ。もし仮に君が悪霊になっちゃったとしても、僕たちは迷える霊を導く案内人。責任を持ってずっとそばにい続けてあげるから、安心しなよ」
「悪霊になんてなりたくないけどね」
あはほと天使様が中学生らしく無邪気に笑った。
そういえばずっと気になっていたけど、天使様っていくつなんだろう?見た目は中学生だけど妙に大人っぽいし高校生もある?
私たちみたいな死んだ人が親しみやすいように子ども仕様なのかな。
「…ねえ天使様。出てきてよ」
「はあい。どうしたのー?」
ぽつりと呟くと、いつの間にか白いコートを羽織った天使様がにこにこと笑ってベランダの柵に腰掛けていた。
その突然の登場に、もう慣れたのかあまり驚きは感じない。
「私の三つ目の未練って、なんなの?もう記憶は全部取り戻したのにどうしても思い出せないの」
「うーん、未練の内容はその人にしかわからないから、僕たちに聞かれても困るんだよねぇ。きっと君はまだ最後の記憶のピースが足りないんだろうね。最後の未練を思い出して解消した時、やっと君はこの旅を終われる」
「…私はちゃんと終われるのかな。このまま思い出せなくて、悪霊になって、誰かを傷つけちゃうかもしれない…」
なぜか天使様を前にしていると、心の内にあった弱音が出てきてしまうから不思議だ。
「それは全部君次第だからなんとも言えないね。僕がしてあげられることもあまりない。…だから、色々試してみるといいよ。思い立ったことをどんどんやっていけば、いつか本当に君の願い事、未練に、たどり着くかもしれない」
「色々試す…」
「そ。もし仮に君が悪霊になっちゃったとしても、僕たちは迷える霊を導く案内人。責任を持ってずっとそばにい続けてあげるから、安心しなよ」
「悪霊になんてなりたくないけどね」
あはほと天使様が中学生らしく無邪気に笑った。
そういえばずっと気になっていたけど、天使様っていくつなんだろう?見た目は中学生だけど妙に大人っぽいし高校生もある?
私たちみたいな死んだ人が親しみやすいように子ども仕様なのかな。