先輩…好きになってもいいですか。
放課後になりジャージに着替えた。まだ肌寒いので長袖長ズボンだ。体育館に行き髪の毛を縛りスイッチを入れた。

…よし。今日も頑張ろう。

部員がもう来ていて準備を始めていた。マネージャーは三年生にもいなく私一人だ。元々二年生の子がいたがすぐにやめてしまった。

湊達目当てにくるがマネージャーの仕事は忙しいため耐えられないみたいだ。

私はもう慣れているため苦ではない。中学のとき、家に帰ってもどうせ一人なら部活すれば?と湊に言われたが特にしたいことがなかったのでマネージャーを始めた。

勧誘の準備のため早めにミーティングを始めた。

今日のメニューを言い一年生が見学にくるので流れ玉にでも当たって怪我をされたら大変なので注意事項も言った。

解散してアップを始めた。

アップが終わる頃にぞろぞろと一年生が来た。バスケ部はやはり人気があるようで沢山入ってきた。

ここの高校は強豪校でもあるのでそれを聞き入ってくる子も多い。

話を聞いてみるとほとんどの子が経験者だった。初心者の子もくるかなと思ったが高校では少ないみたいだ。

私達の代も数人初心者がいたが他は全員経験者だった。

経験者が多い方が周りの人の吸収も早くなるし、次の代も安心して任せられるので有難いことだ。まだ入るかはわからないけど…。

普段どんなことをするのかを説明し体験に移った。

キャプテンに指示を出してもらいペアになってもらおうと思ったが人数が多いため何人かは2人同時に教えないといけないみたいだ。

部員は二、三年合わせて十五人ほどだ。二年生はなんと六人しかいない。三年生が抜けてしまうととても厳しくなってしまう。

そんな中でも湊達はスタメン争いをしていてよく試合に出ている。

三年生が抜けたら四人は確実にスタメンになれるだろう。

勧誘時間ももう終わる頃なので一年生には下校してもらう。

ここからは五月にある大会に向けて練習をする。

最後にやる練習試合の記録を書いていた。

いつもは適当に分かれるのだが今日は二年生対三年生でやるみたいだ。

二年生は一人余りがでてしまうので交代してやることにした。

ピーッとタイマーと同時に試合が始まった。

二年側ボールだ。司令塔の稀翔がボールを運ぶ。一織をマークしていたディフェンスが一瞬遅れた。

稀翔はそこを見逃さず素早くパスをする。ドライブが得意な一織はどんどん攻めていきレイアップシュートをする。

普段は気弱なのにバスケをする時は人が変わったように攻め込んでいく。そのギャップにやられる人が多い。

一織と樹はドライブが、湊は外からのシュートが得意だ。稀翔は周りをよく見ていて一瞬の隙も見逃さない。そのため司令塔の役目を果たしている。

基本的に全員なんでもできるがそれぞれの得意分野ではより多くの得点を得られる。

三年も負けじと本気を出している。取って取られての繰り返しで中々点が動かない。

二年も同じチームとしているのでお互いの癖などが見えている。

湊達が勝つかなと思ったが三年生の根性によりわずか1点差で三年側の勝利。

湊達は後一点だったのにーと悔しそうだ。

だが皆冷静にそれぞれ勝負も仕掛けに行けていたしとても良い試合だった。

片付けをし、家に帰った。
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