先輩…好きになってもいいですか。
数日が経ち一年生も部活に入った。マネージャーは入らなかったが15人も入ってくれた。

4人ほど初心者がいたが筋はいいので上達が早そうだ。

五月の大会には一年はユニフォームや登録がまだなので試合に出れないため筋トレメニュー、体力作りを中心に行ってもらう。

体育館が二面使える時は分かれてボールを使った練習をしていく。

私はずっと一年に付きっきりだ。練習を見ている限りずば抜けて上手い子がいた。

その子の名前は馬渕蒼(まぶちあおい)だ。上手いだけではなく走り込みでも常に一番をとっていたりボールを使う時には初心者の子に教えてくれる。

私はどこがダメだとか的確には教えてあげられないのでとても助かっている。

そのおかげで周りの子達も引っ張られてどんどん上達している。

蒼はチームを引っ張っていけるだろうとこの時点で思えた。

「絃羽先輩、次なにしますか?」

思ったより上達が早く練習メニューも早めに終わってしまった。

「んー。どのくらい試合できるが見てみたいから練習試合しよっか。」

実力も見てみたいし皆の得意分野も知っておきたいので試合をすることにした。

力の差が出来るだけでないようにするようにチーム分けをしてみた。

三チームに分かれて全チームと当たるように交代していく。

ゲームをスタートした。初めは蒼がいるチームだ。

初心者の子も中々いい動きをしている。シュートもどんどん狙っていて積極的でいい。

蒼は出来るだけ自分で行かずチームの人パスを回していき困っていたら、すぐボールをもらいに行き点をとっている。

パスするタイミングもよく、一人一人のいい所を最大限に引き出している。

相手チームの陸は司令塔になりそうだ。ドリブルしながら取られないよう指示をして隙を作っている。

判断力があるみたいで動きに迷いが全くない。他にも外からのシュートが得意な人、リバウンドが得意な人それぞれの得意分野がよく見れた。

全試合が終わり蒼のチームが1位だった。私は試合を見ながら一人一人の得意分野や苦手そうな所をメモした。

今後の練習に活かせそうだ。

片付けをするためモップをかけていると蒼が来た。

「先輩、代わりますよ」

後はモップをするだけなので部員はストレッチをする時間だ。

「もう終わるし大丈夫だよ。ストレッチしてな」

そういうとはい!と元気よく返事をして走って皆の所へ行った。

元気な子だな〜と思っているうちにモップがけが終わり同時に私のスイッチも切れてしまった。

今日は金曜日ということもあり疲れが来たみたいだ。

道具をしまいまだストレッチをしていたので樹が元気よく手を振っておいでとジェスチャーしているので近くへ向かった。
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