爽やかイケメンと噂になってもクールなイケメンが好きなのです。
次の日、空席になっていた席には1人の女子生徒が座っていた。
「あの、城戸さん?」
恐る恐る声をかけて見た。
別に見た目が怖い訳ではないけどいきなりの頼み事だから緊張していた。
本を読んでいたようで頭をあげた。
「うん」
「和田菜摘です、副委員長をやらせてもらってるんだけど……」
読んでた本を閉じてくれた。
「あのね...委員会が今日の放課後あるんだけど、体育委員が決まってなくてね...引き受けてもらうことはできる?」
「和田さんは立候補?」
「えっ、違うよ」
「そう……だったらいいよ」
「ありがとう、助かる」
菜摘は両手を合わせて頭を下げた。
良かった……
「ねえ、立候補だったらどうだったの?」
一応気になったから聞いてみた。
「立候補だったら押し付けかなって……でも決める時に自分が休んでいたのも悪いし副委員長とか嫌だよね、困ってるみたいだから」
「ありがとう」
もう一度頭を下げて野村くんの席に報告に行った。