爽やかイケメンと噂になってもクールなイケメンが好きなのです。
大冴は無言になった。
菜摘はその様子をじっと見ている。
「お前に言うことじゃないかもしんないけど……」
「うん?」
「朝の……」
「あー、体育委員」
「城戸って連絡する奴がいなかったんじゃねぇかな」
「えっ……」
そういえば初日から1週間休んでたし委員を決める時も名前が誰からもあがらなかった。
「あいつ、いつも1人だろ?たまに昼休みに図書室にもくる」
「気づかなかった……私、何見てたんだろ」
「別にお前を責めてるわけじゃねえよ」
「でも決まらなかった体育委員を頼んだのは私だし」
「それでも引き受けたのは自分だからお前のせいじゃないって言ってんだよ」
「でも……やっぱり」
「自分を責めなくてもいい」
「……ごめん」
野村くんは背中を優しくさすってくれた。
時間になり2冊を野村くんに通してもらい借りる手続きをした。
2人で教室に戻る。
「あれ?珍しい……大冴くんが女子と歩いている」
1人の女子に見られていた。