爽やかイケメンと噂になってもクールなイケメンが好きなのです。
「菜摘は自分でお弁当いれるじゃん、それをアップするとか、好きな本を紹介するとか」
「普通の盛れないお弁当載せるのやだよ、無理無理」
「野村くんは買った本、この間載せてたよ」
有里が見せてくれる。
「SNSをやってる野村くんが想像できない」
「してない菜摘が想像できないわ(笑)」
「確かに(笑)」
「JK主婦してる場合じゃないのよ」
「いや、主婦でもしてるよ」
「そうだね(笑)」
そうなんだ……時代遅れなんだ、私
「でも、興味ないなら無理しなくてもいいよ」
麻耶……
「そうよ、いい事ばっかりじゃないしね」
有里……
「例えば……菜摘は好きな人はいないの?」
「…………」
「好きな人の事を知りたくないなら別にいいのよ」
「んー、例えば菜摘の好きな作家さんをここに打ち込んでみて」
麻耶の携帯を借りた。
「あっ、やってる」
「そう、そうしたら……ほら、発売日のお知らせとか、書影が出来たら載せてたり……」
「ほんとだ」
「便利でしょ」
ちょっと知りたいかも……
「……やってみようかな、2人とも教えてくれる?」
「もちろん」
「あっ、ほら、さっきの大橋さんが早速コメント入れてる」
有里の携帯を覗き込む。