爽やかイケメンと噂になってもクールなイケメンが好きなのです。

「痛くない?」


「ちょっとは痛いけど」



「腕に捕まる?」



「いいの?」




「怪我してるんだから、更衣室まで連れていくよ」



「野村くんが優しい……また泣きそう」



「何でだよ(笑)あのさ、名前で呼んで」



「いいの?」



「野村はやっぱり瞬弥も俺も反応するからさ」




「それは私もわかる(笑)」


あ〜そう言えば……

「瞬弥から聞いた、双子だってな」


「うん、じゃあ大冴くん、お願いします」



大冴の腕に少し手を回して保健室から出た。





2年生の校舎には2階に女子更衣室がある。



階段を登ると菜摘は顔をしかめた。


「ちょっと待って……」



半分登ると1度止まった。


大冴くんがしゃがんで見てくれた。



「階段で傷口がまた開いたな、絆創膏って持ってる?」



「多分カバンにあると思う」



「とりあえず着替えて教室か」



「うん」





「大冴くん?」



階段上から女の子の声がした。


「大橋」


「まだ部活に行ってなかったの?あれ?陽平の元カノらしいじゃん」




菜摘は下を向いた。


大橋聖衣子!何で今陽平の名前を出すのよ

もうやめて欲しい



「長縄の練習中に急に抜けてお姫様抱っこして行ったからさ〜

みんなザワザワよね、男子達が元カノって言ってた

陽平に瞬弥くんに大冴くん……ちょっと可愛いからって噂が絶えない女よね〜

陽平のお姫様抱っこは誰か写真撮ってたよ

誰かがアップするかわかんないけどね」





「キャッ……」


大冴くんが抱き上げてくれて階段を上がってくれた。

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