if…運命の恋 番外編Ⅰ「美しい女性」
お義父さまは、ソファに座ってTVを覧ていたのに、気を遣ってか私に声をかけてくれた。
「3人で行ったようだね」
「はい、とっても嬉しそうで」
「ウチのがだよね? いつも寂しい想いをさせているから、ありがたいよ」
「そうなんですか?」
言った言葉の真意を確かめるつもりはなかったのに、つい”そうなんですか?”と言葉にしてしまった事に後悔した。
お義父さまは、少しだけ口角を上げると
「ああ、昔からウチのには苦労もかけてきたし、寂しかった時もあったんじゃないかな」
「先ほども少し怒ってらっしゃいましたよ」
ん?と私の言った言葉を考えるように顎に手を置くと「ああ~」と声をだした。
「俺は言葉が足りないらしくて、、ハハッ ダメだなぁ」
「それでも、お義母さまは会えばいつも笑顔の絶えない方ですね」
「そうだね、、ウチのは、いつだって笑ってるね」
そうだ!! お二人の出会いを聞きたいわ。そう思った私は遠慮もせず言ってしまっていた。
「お義父さまとお義母さまの出会いは? お聞きできます?」
「えッ? あははッ、もう昔過ぎて忘れたなぁ」
私のそんな質問に、お義父さまは頭をかきながら照れてみせると、何かを思い出したように「ちょっと待ってて」と言い残して リビングから出て行った。
何だろう? そう思いながらも、私はついていたTVに目を向けた。しかし、TVを覧ていても、さっきのお父さまの照れた表情が妙に俊に似ていて、思わずそれを思い出して微笑んでしまう。
そんな事を考えていたら、お義父さまが数冊のアルバムを持ってリビングに戻って来て、私の横に座ると「これに出会いのルーツが入ってるかな?」って笑う。
「わぁ~~ アルバムですね?覧ても良いですか?」
「ああいいよ。俊の小さい頃や、ウチのやつの若い頃が覧れるよ」
私は何だか秘密を見てしまうドキドキな気持ちで一冊のアルバムを手に取った。
まずは一枚目のページを開いて、思いっきり微笑んだ