幼なじみの外科医と密なる関係～甘やかな結婚生活～

幸せな明日

臍帯が首に絡まり、呼吸が上手く出来ないままだと退院してからも呼吸器をつけるようになるかも？ と言われていたが、必要なくスクスクと元気に育ち、現在は3歳になった。

こひなは、瑛ちゃんの名前から頂いて千瑛(ちあき)と名付けた。名付け本を眺めている時に自分達の名前の由来などを見て、瑛ちゃんからとりたいと私は強く思うようになる。瑛ちゃんは瑛ちゃんで、こひなと呼んでいたので、それに近いヒナタ（日向、陽向、陽太など）の名前とも迷っていた。

「これは、チーちゃ、の！」
「これは、みや、の！」

初音さんが和菓子屋の手伝いをしている間は、私が兄と初音さんの子供の雅(みやび)を預かり、面倒を見ている。初音さんが絵本の仕事をしている時も私は雅を預かり、千瑛と三人で過ごす日が多くなっていた。兄達夫婦も夫の名前から子供に名前をつけた。初音さんも兄の事が大好きなので、そうしたかったみたい。

つわりが重かった初音さんだったが、ある日を境に症状がなくなったらしい。入院して退院した時、まだ気分が優れない様子だったが、自宅につくと安心し切った笑みを浮かべた。初音さんは無事に出産を乗り越えて、子供達は同級生になった。

二人はお絵描きをしながら、手が汚れないクレヨンを持って、何やらやり取りをしているよう自然と笑みがこぼれだ。喧嘩をしないようにとそれぞれ与えられた手が汚れないクレヨン。一人がグルグルと円を描き始めるともう一人も真似しだし、眺めていると面白くて飽きない。

「うちには双子が居るみたいだな」

瑛ちゃんは遊んでいる二人を見ながら、クスクスと笑いながら呟く。千瑛も雅も男の子で、年齢も学年も同じ。

本日は日曜日。お休みな瑛ちゃんはコーヒーを飲みながら、二人を見守っている。二人は本当に双子みたいで可愛い。このままずっと、仲良しのままでいて欲しいな。