幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
実家に着くなり、初音さんに駆け寄った二人は「お泊まりしゅるよ」と言って足元に抱き着いた。二人が泊まりたいと騒いでいたので、初音さんは直ぐ様、状況を把握してくれる。

「今日はありがとう。絵本の仕事が無事に終わったから、ちーちゃんが本当にお泊まりしたいなら預かるよ」

初音さんはにっこりと微笑み、二人の頭を交互に撫でる。

「初音さんも締め切り前で疲れてるだろうから、また今度にするよ。ね、千瑛、また今度にしようね?」

千瑛に問いかけたが、「やーだー! ちーちゃん、お泊まりしゅる」と言って泣き出すと雅も一緒に泣き出した。

「明日はパパがお仕事だから、ママも一緒にお泊まり出来ないんだよ? 一人でお泊まり寂しいでしょ?」

瑛ちゃんが仕事に行く前に朝食を準備したり、お弁当を作るので一緒には泊まれない。それに自分の泊まる準備もしていない。千瑛は枕が変わると眠れないし、きっと一人では夜に寂しくなり、泊まれなさそう。

「やぁーだ! みやと一緒にねんねしゅる~」
「みやもちーちゃとねんねちたい」

二人が玄関先で泣いていたら、母も現れて、「本人が泊まりたいと言ってるんだからチャレンジしてみたら?」と言った。初音さんも「大丈夫だよ、私と高雅さんも居るし、じいじとばぁばも居るんだから。何とかなるよ」と言って、二人に「今日は一緒にねんねしようね!」
と声をかける。

瑛ちゃんも「お言葉に甘えて、千瑛はお願いしよう」と言い、本人に「初音ママの言う事をちゃんと聞いて、お利口さんにするんだぞ」と念を押す。千瑛は軽い感じに「分かったー!」と返事をする。

私は心配だったが、千瑛を実家にお願いする事にして、翌日の昼間にお迎えに行くと約束をした。
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