幼なじみの外科医と密なる関係～甘やかな結婚生活～

実家で夕食を皆で食べて、千瑛は雅と兄と一緒にお風呂に入る。お風呂上がりも泊まる気満々な千瑛だったので、そのままお願いする。着替えも何も持って来ていない千瑛だったが、雅の洋服等を貸りる事になった。

「千瑛、そろそろ寝たかな？ 寂しいって泣いてないかな？」

実家から帰宅した私は夜九時半過ぎに時計を見て呟く。自分自身も身支度をして後は就寝するのみだが、千瑛が側に居ないと落ち着かない。今はどうしているのだろう？ ママが居ないと眠れないと泣いて電話がかかってくるかも？

「心配なら電話してみたら？ そしたら陽菜乃も落ち着くんじゃないかな？」

そわそわしている私を他所に瑛ちゃんは至って冷静だ。まぁ、普段から冷静に判断しなければならない仕事をしている瑛ちゃんにとっては、落ち着くしかない初見だけれども。

「もしもし？ 千瑛？ ママだよ。……そっか、初音ママに絵本読んでもらったんだね。良かったね。うん、おやすみなさい！ 明日、お迎えに行くからね」

瑛ちゃんに言われた通りに初音さんに電話をし、千瑛の様子を確認する。自分が思っていたよりも、千瑛はお兄ちゃんになっていて電話口で『今からちーちゃんはねんねしゅるよ。おやちゅみ』と言われた。私が居なくても平気になっていくことの成長は悲しくもあり、嬉しくもある。

「瑛ちゃん、千瑛はもうすぐねんねするって。凄く楽しそうだった」

私はソファーに座っている瑛ちゃんの隣に座って、電話の内容を報告した。千瑛が私から離れてしまったみたいで残念だ。瑛ちゃんは私のそんな複雑な気持ちを理解してくれたようで、何も言葉を発さないけれど、私の肩をそっと抱き寄せた。