幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
「とにかく、陽菜乃の御両親の承諾を得た後に陽菜乃と近い内に入籍する。よって、陽菜乃の手伝いが必要ならば平日のみにして欲しい。土日は基本、俺は当番以外は休みだから夫婦水入らずで過ごしたいからな」

瑛ちゃんはそんな兄の事は差し置き、自分の意見を述べた。

「それは構わないよ。初音もいるし、土日はゆっくり過ごしたら良い」

兄が快く承諾してくれたが、土日の休みの件は兄に会う少し前に聞かされたばかり。瑛ちゃんともっと一緒に居たいから、私も一緒のお休みなら嬉しい。

プロポーズをされてからもゆっくりと会う時間は無く、平日の夜にもなかなか会えないのが現状だ。毎日、会いに来てくれた瑛ちゃんだけれども、五分間だけとかは物足りない。もっと一緒に時を刻みたい。

「それからもう一つ、良いか? 結婚が決まれば、陽菜乃は俺のマンションに引越しをしてもらう。陽菜乃も高雅の奥さんもお互いに羽根を伸ばせないなら、ストレスが溜まるだけだからな」

「そうかな? 二人は仲良くやってると思うけどなぁ?」

「どんなに仲が良くても、義理の妹と奥さんが一緒に暮らすとなれば色々とあるんじゃない?」

瑛ちゃんに聞かれた訳では無いが、察してくれていた。同居といっても自分自身の実家なのでストレスが溜まる事はない。しかし、兄にも初音さんにも言って無かったが、私が居る事により、変な気を使わせてしまっているのではないか? と言う事。

私が居なくなれば、部屋は将来的にも二人の子供も使えるし、兄夫婦こそ、夫婦水入らずの時間を満喫して欲しい。

「そっか、分かったよ。俺は陽菜乃が居なくなって寂しいが、お互いに気を使わない方向で行こう」

兄は微笑んでから了承した。
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