幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
「それから、陽菜乃に悪い虫がつかないか見に行ってたんだよ」

「悪い虫? 虫なんて滅多に入って来ないよ? たまに近所の子供が買ったばかりのベタなら見せてくれたりするけど。あ、虫じゃなくて魚だけど」

ショピングモールだもん、滅多に虫なんて入って来ないよ。

「陽菜乃は昔から天然なのか? って疑問に思う事がある。悪い虫ってゆーのは、男の事だよ」

「男の人? 私には誰も言い寄って来ないよ。男の人が長く居るような時は、いつもお兄が出て来て接客してるもん」

「……っぷ! だろうな、高雅は重度のシスコンだからな!」

私が今まで出会いが無かったのは兄が邪魔してたのかな? 確かに男性のお客さんが来て声をかけてきても、兄が対応してたかも?

「お待たせ致しました、アフターヌーンティーセットでございます」

瑛ちゃんと歓談中、ワゴンで何やら運ばれて来た。

カチャリ。

私と瑛ちゃんの前にソーサーと空のカップが置かれ、紅茶が真上から注がれる。

テーブル上には、三段のステンレス製のタワーに沢山の小さなケーキが並んでいる。

「好きな物から、召し上がれ」

「いただきます……!」

ピンクと紫のマカロン、メロンのショートケーキ、抹茶ケーキ、ガトーショコラ、チーズケーキ……他にもケーキとフルーツが乗っている。

どれからいただこうかな?

「……あれ? これ、ケーキじゃない?」

もしかして、もしかしての……?
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