幼なじみの外科医と密なる関係～甘やかな結婚生活～

まず最初にお吸い物から頂き、次に大好物の茶碗蒸し。茶碗蒸しは瑛ちゃんが言ってた様にカニが入っていた。カニの身の味がしっかりしてて美味しい！

「今日は急患が来ない限りは電話も来そうにないし、明日は休みだからゆっくり出来そうだよ」

「うん、お仕事行かないなら、夜は瑛ちゃんを思いっきり独り占め出来るね」

私の一言で瑛ちゃんは目を丸くして、顔を少し赤らめた気がする。何か変な事を言ったかな？

「……今の一言は私的に勘違いしそうなんだけど、勘違いしても良いの？」

「……？ 何が勘違い？」

「やっぱりね、陽菜乃はね、勘違いだと思ったよ。まぁ、いいや、夜は長いから……」

瑛ちゃんは赤らめた顔を覆い隠す様に手の平を口元に充てた。

私には何が何だか分からないまま、窓から見える景色は夜へと変貌していた。

「私の為にこんなに素敵なお弁当を探してくれて有難う。手毬寿司は可愛くて美味しかったし、大好きな茶碗蒸しにはカニが入ってたし、とにかく全部美味しかったです。ご馳走様でした」

「そんなに喜んでくれるなら、仕事の合間に探した甲斐があったな」

どの料理も優しく繊細な味付けで、残さずに全部食べてしまった。暖かいお料理は暖かい内に、冷たいお料理は冷たいお料理のままで運んで下さったデリバリーの方にも感謝する。